いたつきの 癒ゆる日知らに さ庭べに 秋草花の
種を蒔かしむ
正岡子規
種を蒔かしむ
正岡子規
(いたつきの いゆるひしらに さにわべに あきぐさ
ばなの たねをまかしむ)
ばなの たねをまかしむ)
詞書・・しひて筆をとりて。
意味・・自分の病気は、いつになったら治るのか、それ
すら分からないが、庭には秋咲きの草花の種子
を蒔いてもらった。
すら分からないが、庭には秋咲きの草花の種子
を蒔いてもらった。
いくばくの命もなく、秋までは生きられないだ
ろうと覚悟はしているが、何としても生き抜い
て、この花の咲くのを見たいものだと、種を蒔
いてもらった。
ろうと覚悟はしているが、何としても生き抜い
て、この花の咲くのを見たいものだと、種を蒔
いてもらった。
死が近づき、気力も弱まった頃「しひて筆をと
りて」詠んだ歌です。
子規はその年の9月19日に没しました。
注・・いたつき=労。骨折り、病気。
りて」詠んだ歌です。
子規はその年の9月19日に没しました。
注・・いたつき=労。骨折り、病気。
作者・・正岡子規=まさおかしき。1867~1902。35歳。
東大国文科中退。脊髄カリエスで腰痛のため歩行
東大国文科中退。脊髄カリエスで腰痛のため歩行
困難になり長年病床に臥す。
出典・・歌集「竹の里歌」。